情報の重要性が高まる現代社会では、情報漏洩事件を起こしてしまった場合に企業の信頼性低下、法的責任、経済的損失を招きます。
特に内部不正による情報漏洩は被害規模や企業の責任が大きくなる傾向にあるため、適切な対策が不可欠です。
では、具体的にどのような対策を取ることが望ましいのでしょうか?
この記事では内部不正による情報漏洩対策の具体例とメリット・デメリットを紹介し、情報漏洩対策を検討中のユーザーに役立つ解決策をご提案します。
目次
内部不正による情報漏洩対策の必要性とは?
内部不正による影響と対策の重要性
企業におけるセキュリティは、一般的に外部からの脅威を防ぐことを目的とされがちですが、内部からの脅威、すなわち持ち出しや紛失など従業員による情報漏洩のリスクも46.7%(東京商工リサーチより)と非常に高い割合となっています。
内部不正による重大な流出事故は故意または過失によるものであることが多く、企業の機密情報や顧客データが不正に外部に漏れることで、企業の信頼失墜、法的な責任、経済的な損失を招きかねません。
また、個人情報をはじめとした顧客データが流出してしまった場合、補填業務や相談窓口対応などによる生産性の著しい低下も免れません。
そのため、内部不正に対する適切な対策は企業規模に関わらず必須といえます。
内部不正による情報漏洩の対策方法4選
アクセス権限の適切な管理
必要以上のアクセス権限の付与は厳禁ですが、過剰なアクセス制限も不正に繋がる場合があります。
例として、定期メンテナンス業務などが自身の権限で実施できない場合、作業用として管理者アカウントが貸与されることが少なくありません。しかしその管理者アカウントを通常業務でも利用してしまい、重大情報の流出に繋がってしまうことが考えられます。
この場合は、「定期メンテナンスに必要な権限を作業者に割り当てる」「定期メンテナンス用の権限を設定した専用のアカウントを貸与する」といったように役職や業務内容に基づいて、情報へのアクセス権を適切に管理することで、情報を不正に持ち出すハードルが上がり、内部からの情報漏洩のリスクを大幅に低減させることが可能です。
情報セキュリティ教育の実施
情報セキュリティポリシーの策定・周知や、ITパスポートなどの情報技術分野の資格取得を推奨するといった、従業員に情報セキュリティ教育を施すことも有効な対策と言えます。
ヒューマンエラーの削減や、個人への責任といったリスクを認知することで悪意ある不正への抑止にも繋がり、一定の効果を期待することができます。
監査とモニタリングの実施
ログ管理ツールなどを活用した定期的な監査とリアルタイムでのモニタリングを実施し、不適切なアクセスや不審な操作を早期に発見する体制を整えることも有効です。
早期発見により被害を最小限に食い止めることができるほか、ポップアップ通知などにより抑止力としての効果も期待できます。
デバイス制御ツールの導入
内部からの情報漏洩の多くはUSBメモリやクラウドサービスなど、端末外へのアクセスを経由して行われます。
そのため、デバイス制御ツールの導入によって外部へのアクセスをコントロールことで、情報を不正に持ち出すハードルが上がり、内部からの情報漏洩のリスクを大幅に低減させることが可能です。
それぞれの内部不正対策のメリットとデメリット
メリットとデメリットの比較
アクセス権限の適切な管理
メリット:内部不正だけでなく、ヒューマンエラーの防止にも寄与する
デメリット:適切な設定を施したアカウント設定を提供する管理コストが必要
情報セキュリティ教育の実施
メリット:法的遵守の強化、従業員の意識向上
デメリット:意識や知識を維持するための時間とリソースが必要
監査とモニタリングの実施
メリット:問題の早期発見と対応、継続的なセキュリティの担保
デメリット:監視システムの導入と維持に高コスト
デバイス制御ツールの導入
メリット:情報の持ち出しリスクの軽減
デメリット:業務の柔軟性が低下する可能性
まとめ
内部不正による情報漏洩は企業にとって重大な脅威ですが、適切な対策を実施することでそのリスクを大幅に減少させることが可能です。
アクセス権限の適切な管理、情報セキュリティ教育の実施、監査とモニタリングの実施、そしてデバイス制御ツールの導入は、内部不正を防止するうえで効果的な対策です。
それぞれの方法にはメリットとデメリットが存在しますが、全体として見れば企業のセキュリティ強化とリスクマネージメントには不可欠であると言えるでしょう。