秋田大学 医学部様

法医解剖という究極のプライバシー情報を守る「RunDX」
データを確実に保護し、学生が研究に専念できる安心・安全な環境を実現

名称 国立大学法人 秋田大学 医学部
所在地 秋田県秋田市本道1-1-1
(本道キャンパス)
発足 1970年
組織 1学部、1大学院

秋田県で唯一法医解剖を扱う機関である秋田大学医学部。同大学の大学院医学系研究科 法医科学講座では、究極のプライバシー情報ともいえる法医解剖にまつわるデータの漏洩を防ぐため、かねてよりデバイス制御ツールを導入していたが、2024年にラネクシーの自社開発製品「RunDX」に切り替えた。わかりやすく直感的に使え、サポートも充実した同製品の導入により、データを確実に保護できる安心・安全な環境を実現。講座の知見向上や法医学者の育成促進につながっている。

導入製品・ソリューション:RunDX DeviceControl

秋田大学 大学院医学系研究科 法医科学講座様の導入前の課題と導入後の効果

導入前の課題

究極のプライバシー情報であり、慎重な取り扱いが必要な法医解剖にまつわるデータの漏洩を確実に防ぎたい

導入後の効果

RunDXの導入により簡単なオペレーションで安心・安全がしっかりと担保でき、学生が研究に専念できる環境が実現

法医解剖にまつわるデータは究極のプライバシー情報 デバイス制御により情報漏洩の防止を目指す

大学院医学系研究科
医学専攻 社会研究医学系 法医科学講座
教授 医師 医学博士
早川 輝 氏

大学院医学系研究科
医学専攻 社会環境医学系 法医科学講座
技術職員
松尾 悠平 氏

医師が病死と明確に判断した「内因死」による死体以外の死体を「異状死体」という。具体的には、事故死、犯罪による他殺、自殺、中毒死、虐待死などが挙げられる。秋田県では年間1300~1500件の異状死の届け出があり、これを受けた警察の検視官が検視。その結果、必要ありと判断されれば、司法解剖・行政解剖が行われることになる。そして、同県で唯一法医解剖を扱う機関が秋田大学医学部だ。同大学 大学院医学系研究科の教授で、医師 医学博士である早川輝氏は「私たち法医科学講座では年間150~250件程度の法医解剖(司法解剖・承諾解剖・死因調査解剖)を受託し、死因診断や鑑定業務を行っています。都道府県別の異状死体における解剖率は全国でも常にトップ5に入るほどです」と説明する。ちなみに、秋田県は全国でも犯罪発生率が低く、治安の良い地域としても知られている。そんな同県で解剖率が高い理由は、異状死体を扱う秋田県警や海上保安庁などと法医学者が密に連携し、解剖によって死因を明らかにするという強い信念を共有しているためだ。

法医解剖を通じて取り扱うデータは、ある意味究極のプライバシー情報であり、さらには犯罪に関する捜査情報なども含まれている。それだけに、こうしたデータは慎重に取り扱う必要があった。法医科学講座の技術職員である松尾悠平氏は「学会等での症例報告で使用するスライド作成について、自宅でも作業したいのでデータを持ち出せないかと学生から相談を受けたこともあります。しかし、学外へのデータの持ち出しは、紛失や漏洩のリスクにつながります。万が一インシデントが起こってしまった場合、警察との密な信頼関係で成り立っている現在の法医解剖の在り方を揺るがすことになりかねません」と語る。

そこで法医科学講座では、データを簡単に学外へ持ち出せないよう、デバイス制御ツールを導入。情報漏洩への備えとしてきたのが、このツールのサポートが終了することから、代替製品の導入を迫られることになったのである。

わかりやすく直感的に使えるインターフェース
ラネクシーの自社開発製品ゆえサポートも充実

2022年、代替製品について取引先のベンダーに相談した法医科学講座は、別のデバイス制御ツールの紹介を受ける。これを導入し、2年ほど利用を続けていたが、2024年8月にあらためてラネクシーの自社開発製品である「RunDX」へと切り替えた。その理由について松尾氏は「RunDXはマニュアルが不要なほどシンプルかつカンタンであることをコンセプトにうたっていますが、まさにインターフェースがわかりやすく、直感的に使えるのが魅力です。実際、導入から利用開始まで操作等が問題になることは一切なく、既存製品からの切り替えはスムーズに進みました」と語る。

もう1点、松尾氏が評価するのがサポートの充実だ。「ラネクシーは、私たちからの問い合わせに対して常に適切な回答をしてくれますし、とてもレスポンスが早いので助かっています。当時利用していた製品は海外の製品ということもあって、どうしても回答までにタイムラグがありました。そこは国産メーカーであるラネクシーの対応との違いかなと思います」

顕微鏡用、画像診断専用のCT用などのPCにも導入 オフライン環境やスタンドアロン環境をピンポイントに手当

法医科学講座におけるRunDXの運用は、サーバーレスのスタンドアロン構成で、早川教授と松尾氏にもうひとり加えた3名が、それぞれホワイトリストで許可されたUSBメモリを利用できるようにしている。各デバイスにはアンチウイルスソフトを導入し、さらに紛失に備えてパスワード管理を施すなど、セキュリティ対策も徹底している。

法医科学講座が導入したRunDXのライセンスは生徒数よりも余裕を持たせた保有数字になっている。これは、学生が個々に使用するPCのほか、顕微鏡用、画像診断専用のCT用など用途別に複数のPCがあるためだ。
これらの機器はオフライン環境で利用しているため、集中管理は難しくRunDXがスタンドアロンでも対応できることで、無駄な投資コストを抑えられ、研究機器へのちょうどいい対策となっている。

「RunDXの導入により、データの勝手な持ち出しを確実に防止できる仕組みが整備できました。これにより、安心・安全がしっかりと担保でき、学生が研究に専念できる環境が実現できたと思います」(早川氏)

インシデント時の対応も含め、データを確実に守る環境が講座の知見向上や法医学者の育成促進につながる

なおRunDXには、デバイス制御に加え、デバイス操作のログを取得できる機能も備わっている。これにより、万が一情報漏洩などのインシデントが発生した場合、どのデータ(ファイル)がどのデバイスによって持ち出されたのかなど、日時、使用デバイス、操作、ユーザーの証跡を管理コンソールから把握することができる。逆に言えば、ログを調べることで法医科学講座のPCからはデータが持ち出されてはいない(漏洩していない)ことを証明することが可能だ。つまり、RunDXの導入はただデータを保護するだけでなく、データに触れる機会がある者を守ることにもつながる。

「法医学者は、全国的に見ても深刻な人手不足の状態にあります。それゆえ今後の人材育成が重要になってくるのですが、大学の中には法医解剖などのデータは非常に取り扱いが難しいという理由で、学生には一切触らせていないところもあります。秋田大学では、学生が法医解剖へ積極的に参加できる環境を整えることで、法医学者の育成に力を入れています。今回のRunDXの導入は、データを確実に保護するという点から学生にも安心して取り扱いを任せられる環境を実現し、その結果として、講座の知見向上と法医学者の育成促進につながっていると思います」(早川氏)

今後について法医科学講座では、学生の増加に合わせてライセンスの追加なども検討していくという。
「それだけに、今後も使い勝手の向上に繋がる機能やUIの実装に期待しています」(松尾氏)

スタンドアロンでも複数PCでも、管理サーバーレスでの運用を実現

RunDX DeviceControl

RunDXは管理対象PCのエージェントにポリシーなどを適応させる際、管理サーバーを用意しなくても管理用ツール(無償)を使い
ネットワーク経由で運用管理が可能です。

詳細資料

ご担当者様のインタビュー取材記事を掲載したPDFをダウンロードしていただけます。

お客様概要

秋田大学 医学部様

  • 所在地:秋田県秋田市本道1-1-1(本道キャンパス)
  • 発足:1970年
  • 組織:1学部、1大学院
  • URLhttps://www.med.akita-u.ac.jp