USBメモリの紛失による情報漏洩を防ぐ。いざとなってからでは遅い?主な原因と効果的な対策とは

最終更新日:2024年5月17日

USBメモリはその便利さから多くのビジネスシーンで使われています。しかし、その小ささゆえに紛失しやすく、その便利さが仇となって情報漏洩につながるリスクがあります。この記事では、USBメモリの紛失がもたらすリスクと、それを防ぐための効果的な対策を紹介します。

USBメモリの紛失がもたらすリスク

情報漏洩のリスク

USBメモリには企業の機密情報や個人情報が含まれていることが多く、これが外部に漏れることは重大なセキュリティインシデントにつながります。

信頼の損失

情報漏洩は顧客やパートナー企業からの信頼を損なうことにもつながり、ビジネスへの影響は計り知れません。

罰金や賠償金等の金銭的損失

万が一情報漏洩が発生してしまった場合、例えば個人情報であれば個人情報保護法に法った罰金の他、賠償金の支払いなど、金銭的な損失が伴うケースが少なくありません。

USBメモリの紛失の主な原因

不注意による紛失

人の不注意が最も多い原因です。机の上に置き忘れたり、外出先で紛失することがあります。
また小型・軽量・安価というメリットの反面、パソコンやスマートフォンと異なり、GPS機能や遠隔ロックといった紛失対策としてよく用いられている機能は基本的に搭載しておらず、再発見が困難であることやインシデント発生時に対策を取ることができない点も問題視されています。

盗難

USBメモリは小さく、盗まれやすい特性があります。特に公共の場では盗難のリスクが高まります。
また、カフェなどの公共の空間でパソコンを使用中に、少し離席した瞬間にパソコン内のデータをUSBメモリにコピーされてしまい情報漏洩に発展してしまったケースもあります。

効果的な対策

物理的な対策

  1. USBメモリの使用を制限する
    会社の規定や部署の運用ルールなどでUSBメモリを使用禁止とすることが最も簡単な方法です。
    一方、USBメモリという便利なツールを利用できないために生産性の低下に繋がったり、そもそも業務上USBメモリの使用が不可欠な場合にはそもそも実施することができないなど、融通が利かない点もあります。
    また、悪意のある者がUSBメモリを使ってデータを盗むことは防げず、規則で禁止しても現場では利便性を優先して利用されてしまう場合があるなど、根本的な解決には繋がりません。
  2. 紛失しにくいデザインのUSBメモリを選ぶ
    ピンクなど目立つ色の製品を選ぶ、大きいキーホルダーや鈴を付けるなど、"紛失した瞬間に気付く"ことで紛失を防ぐことが可能です。
    非常に単純かつアナログですが効果的な方法である一方、盗難は防げない点や軽量・小型というメリットに相反する点、そもそもカバンごと紛失してしまった場合には効果がないため、別の対策と併用することが望ましいです。

技術的な対策

  1. データの暗号化
    USBメモリに保存するデータは、暗号化することが重要です。
    暗号化を施すことで、万が一紛失してしまった場合でも第三者に読み取られるリスクを低減できます。
    近年は暗号化機能が標準搭載されているUSBメモリも多く販売されているため、利用する製品選びの段階に意識することで対策を行うことが可能です。
  2. デバイス制御
    USBメモリとパソコンのアクセスを制限することができるデバイス制御も効果的です。
    会社で指定したUSBメモリのみを使用可能とすることで不必要なデータのやりとりを失くし、リスクを低減することができます。
    また、万が一紛失した場合にも"どのデータが流出してしまったか"を特定することが容易になるほか、不認可のUSBメモリ、あるいはUSBメモリの接続そのものを不可とすることで悪意のあるデータコピーを防ぐことも可能です。

セキュリティに関する教育と意識の向上

  1. 従業員への教育
    USBメモリの使用に関するポリシーを設定し、従業員に対して定期的に教育を行うことが重要です。
  2. セキュリティ意識の向上
    セキュリティの重要性を理解し、日常から意識することが、情報漏洩を防ぐ上で最も効果的です。

デバイス制御の効果とメリット

情報漏えいを意識するあまり、USBを利用不可にしている企業もあるといいます。
しかし、一律に利用禁止してしまうと、生産性の低下を招いてしまいます。
そこでおすすめしたいのが、デバイス制御ツールを導入することで、USBデバイスの利便性を生かしつつ、セキュリティの強化も実現する方法です。
デバイス制御を実施することで、以下のようなセキュリティ面でのメリットがあります。

  1. 制御可能な技術に対しては絶対的な担保が可能。
  2. 制御内容の変更以外の管理コストが発生し難い。
  3. 導入および設定から即座に効力を発揮する。

まとめ

USBメモリの紛失による情報漏洩は深刻な問題です。物理的・技術的な対策やセキュリティ教育・意識の向上など、多角的なアプローチでリスクを最小限に抑えることが重要です。
USBメモリにはデータを保存する以外の機能が搭載されていないため、"いざというとき"が発生してからでは手遅れになってしまうケースが大半です。
"いざというとき"に後悔しないためにも、今から対策を講じておくことが必要です。