NECパーソナルコンピュータ株式会社 様

NECの法人向けPCにデバイス制御ソフトとして「RunDX」を採用
検証速度、操作性、機能が向上

NECブランドのもと、PCの商品企画・開発・製造、PCおよび周辺機器の販売・故障診断・保守などの事業を展開するNECパーソナルコンピュータ(以下、NECPC)。同社はこのたび、法人向けPCにバンドルするデバイス制御ソフトを、ラネクシーの自社開発製品「RunDX」に切り替えた。これにより、これまでと同様のデバイス制御を網羅しつつ、検証のスピードアップが実現。操作性や機能も向上し、ユーザーによりセキュアな環境を提供できるようになった。

導入製品・ソリューション:RunDX DeviceControl

NECパーソナルコンピュータ株式会社の導入前の課題と導入後の効果

導入前の課題

従来バンドルしていたデバイス制御ソフトは、Windows 10の登場後メーカーのサポート対応が悪く、検証の負担が増大の一途をたどっていた。

導入後の効果

ラネクシーが自社開発する「RunDX」へ切り替えたことで、検証のスピードアップが期待できるようになり、操作性や機能も向上した。

法人向けPCにバンドルするデバイス制御ソフトをNECPCの自社開発から仕入れ製品に切り替え

 2011年、NECとレノボのパソコン事業における戦略的提携に基づき結成されたジョイントベンチャー「NECレノボ・ジャパングループ」のグループ企業として設立されたNECPC。以来、同社は2社の強みを融合し、競争力の高い革新的な製品を生み出し続けてきた。
 同社の商品企画本部コマーシャルグループは、主に法人向けPCである「Mate」と「VersaPro」の商品企画を担当している。その開発過程においては、PCにどのような機能を持たせるべきか、そのために必要となるOSやソフトウェアは何かについて逐次、検討を続けてきた。2013年には翌年に迫ったWindows XPのサポート終了を機に、企業向けPCにおいてバンドルソフトのあり方を見直し。その一環として、デバイス制御ソフトを自社開発から、仕入れ製品に切り替えた。その理由について、商品企画本部 コマーシャルグループ マネージャーの渡辺環氏は「当時、世間では大規模な情報漏洩事件が多発しており、その多くがUSBメモリなどの外部デバイスを介したものでした。こうした被害を防ぐには、各種デバイスを確実に制御でき、高度化・複雑化するサイバー攻撃にも対応可能なソフトが必須ですが、その開発には多大な労力とコストが必要となります。そこで、このまま自社開発を続けるよりは、ISV製品の中から最適なものを採用した方がよいと判断。複数の候補の中からひとつのデバイス制御ソフトを選定しました」と説明する。

Windows 10の登場後、検証の負担が増大
より迅速な対応を目指し「RunDX」をテスト

 かくして2014年の秋モデルから長年にわたり「Mate」や「VersaPro」など法人向けPCのデバイス制御を担ってきた従来のデバイス制御ソフトだが、Windows 10の登場後は、Windows as a Service(WaaS)により半年に一度OSの大型アップデートが行われるようになったため、その際にも検証が必要になった。NECPCでは自社の品質基準を満たすべく、厳密なテストを繰り返し実施しているが、ここにきてその負担は増大するばかりだったという。
「本来は、新製品のリリース前にテストで発生した問題をすべて解決しておかなければならないのですが、半年では完全には解決できない問題が発生することもありました。こうしたときはベンダーに問い合わせたり要望を出したりするのですが、そのデバイス制御ソフトは海外製品ということもあり、どうしてもレスポンスが遅くなりがちです。それゆえ、修正版を出したいと思っても、うまくタイミングが合わないこともありました」(渡辺氏)
 業務で使用される法人向けPCにおいて、そのセキュリティ面を担うデバイス制御ソフトに問題があっては、ユーザーに真の意味での安心を提供することは難しい。
「そこでより迅速な対応が可能になる手段はないかということで2022年末ごろから従来品に代わるソフトの検討を始めたのですが、この際ラネクシーから提案されたのが『RunDX』でした。今まさに自社開発を進めているところと聞き、プロトタイプをテストしてみることにしたのです」(渡辺氏)

完成度が高く、品質基準もしっかり満たす
ラネクシー自社開発ならではの迅速なレスポンスに期待

商品企画本部
コマーシャルグループ
マネージャー
渡辺 環 氏

 RunDXは新製品ということもあり、当初はNECPCも一抹の不安を抱いていた。しかし実際に検証を進めてみると、テストはスムーズに完了。この結果を受けて、同社はRunDXの採用を決めた。
「RunDXは、従来のデバイス制御ソフトが持つ機能を網羅していることに加え、他のバンドルソフトとのコンフリクトもほとんどありません。製品の完成度も高く、当社の品質基準をしっかり満たすものに仕上がっていました。何よりラネクシーの自社開発製品ですから、当社からの問い合わせに対して迅速なレスポンスが期待できますので、当社商品の検証もスピードアップ可能になります」(渡辺氏)
 また、RunDXのシンプルなインターフェースも評価された。
「従来のデバイス制御ソフトのインターフェースはツリー構造で、エンドユーザーからすると操作が複雑で戸惑うところがありました。その点、RunDXはシンプルでわかりやすくなっています」(渡辺氏)
 なお、RunDXの管理ツールは無償で提供されるが、Webブラウザから利用できるため管理サーバーは不要だ。このツールを使えば、ネットワーク接続しているクライアントにポリシーなどを適応できるし、エンドユーザーが勝手に設定を変えたり、機能を停止したりできないようにすることも可能。さらに、従来のデバイス制御ソフトにはない機能として、Wi-Fiの制御機能を備えている。これはSSID単位で特定のWi-Fi接続のみを許可するものだ。
「働き方の多様化に伴いテレワークの普及が進んでいますが、この機能があれば従業員が不用意に公衆Wi-Fiなどからアクセスし、データ漏えい等の事故を起こすことを予防できます。セキュリティの観点からクローズドネットワークを好む企業は多く、LTE対応モデルを選択されるお客様もいますが、Wi-Fiの部分を制御できれば、セキュアなネットワーク環境を容易に構築することが可能になると思います」(渡辺氏)

法人向けPCの提供においてRunDXが果たす役割は大
今後の機能追加に期待

 取材時点(2023年11月)でRunDXをバンドルしたPCの出荷は始まったばかりだが、今後、NECPCが販売する法人向けPC(Windows 11)のすべてに搭載される予定だ。
「お客様によってはデバイス制御ソフトを必須のものと考えており、調達要件に明記されているケースも少なくありません。それゆえ、当社が法人向けPCを提供していく上で、RunDXが果たす役割は大きいと考えています。今後も機能を順次追加していくと聞いていますので、ぜひ期待したいと思います」(渡辺氏)

RunDX DeviceControl

不正は「させない」、業務は「止めない」、業務用PCから始める情報漏洩対策。それがRunDX(ランディーエックス)です。会社や組織内のPCにおいて、USBメモリなどさまざまな外部デバイスの利用を制限し、できるだけシンプルにデータの不正な持ち出しを防止するセキュリティソフトウエアです。

詳細資料

ご担当者様のインタビュー取材記事を掲載したPDFをダウンロードしていただけます。

お客様概要

NECパーソナルコンピュータ株式会社

所在地 東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX
設立 2011年7月
資本金 2億6183万円(2022年3月末現在)
従業員数 5,286名(2020年4月1日時点)
事業内容 LAVIEをはじめとするNECブランドのPC製品等の開発・製造・販売・サービスほか

WEB https://www.nec-lavie.jp/